悪童日記

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

たまたま新聞の書評で読んで興味を持ち、購入。興味深い内容です。


第二次世界大戦中のハンガリー(と思われる所)で、生き抜いていく双子の兄弟の話。
事実を淡々と語り、内面描写をそぎ落とすことで、戦争の悲惨さを感じさせる内容になっています。犯罪すらためらいもせずに犯す兄弟が恐ろしいのですが、彼らは時に内面性が発露した行動をとったりする。その瞬間に、彼らは戦争を生き抜く為に、自己の喜怒哀楽を抑制しているのだということに気づかされます。
最初はブラックなユーモアを感じさせるのだけど、ラストに進むにつれ読み進めるのが辛くなる。そんな感想。
本当の戦争って、こういうものなのだろうな。自分を押し殺さないと生き抜いていけないのだろう。


続編があるというので、是非読んでみたいとこです。