太陽の子

太陽の子 (角川文庫)

太陽の子 (角川文庫)

以前、読んだことがあるのですが再読しました。神戸に住んでいる沖縄から来た一家の話。
ちょっと偏りすぎていて辛かったです。まぁ、他にはとくに感想はないかな。


社会的な弱者に目を向けるのは大切だけど、それとその周辺を善、その他を悪とステレオタイプに決めつけてしまうのはどんなもんだろう。
たしか灰谷健次郎の「兎の眼」だったと思うのだけど、主人公は小学校の女教師で、旦那さんに学校についての話をする場面がある。話を聞いて旦那さんが「どんな仕事でも辛くて大変な面はある。」と言う。主人公は「あなたの言っている大変だということと、私の言っている辛さは別ものなんだ。」と考える。そこで、この人は何も分かっていないんだ、と主人公は理解するに至る。
筆者の書きっぷりだと、学校での出来事の方が人が生身でぶつかるから大変なんだという切り口なんだけど、それってどうなんだろうと幼心に思ったものです。まぁ、そういう偏り方なんですね。


そこに目をつむれば、灰谷健次郎の作品は面白いのかもしれない。