風の歌を聴け

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

買ったくせに読んでいなかったので。そんな本ばっか。


個人的に、作家さんや音楽家さんはデビュー作が面白いなぁと思っている(狙ってくるからね)ので、村上春樹も同様にやはり処女作を読むべきだろうと考え購入。今までは「ノルウェイの森」「ねじまき鳥クロニクル」を読んだことがあり、良い印象を持っていませんでした。つうか、両方とも僕には合わない。


風の歌を聴け」は、処女作らしい野心的な作品だな、という感想。内容はともかく、文体が良い。場面によって読点の打ち方や改行位置を変えていて、心地よく読めました。そういうところが上手だと言われる所以なんだろうな。
内容はとくに心には残らなかったです。というか、内容なんてものはとくにない。連続した物語性は持たせず、断片的に場面を構成することによって若者特有の空虚で不安定な日常を表現する。こういうのって、70年代後半〜80年代の特徴なんだろうか。(ex.限りなく透明に近いブルー ←好きじゃないけど)


文体は面白いので、この時代のをちょっと読んでみようかな。