カンブリア宮殿 ゲスト:緒方貞子

http://www.nikkei.co.jp/cambria/ryus-eye/index.html
珍しくテレビを見る。初めてカンブリア宮殿という番組を視聴した。
ゲストは緒方貞子さん。元国連難民高等弁務官。以前から興味があり、尊敬している人の一人。まぁ、思う所は多々あったのだけど、覚え書き程度にしておく。(ほぼ、自分のためのメモです)


司会の小池栄子が、なぜ紛争は起こるのかという疑問を投げかけ、武器はそんなに身近なところにあるものなのか?と発言した時の緒方さんの発言。
「ご存知ないんですか?武器というのは非常に大きなビジネスなんですよ。」


「難民救済というのは、非常にやりがいのある職務だった。」
「崇高な目的を持っているように思われるが、現場で必要なのは徹底したリアリズムだ。」
「100万人規模の人間の動くエネルギーというのはすごいものがある。キャンプでは最初に難民の排泄物の処理から考える。難民の自然への影響も大きく、木々の伐採などを行わないようにさせることが大切だ。」
「銃弾の飛び交う危険な現場というのはコソボだった。その他はそこまで危険を感じたことはない。」


上記の発言から垣間見えるのは、崇高な理想に終始していては果たせなかった厳しい現実だ。
難民高等弁務官は難民を救済する責任者であって、紛争を無くすことが使命ではない。ちょっとしたことで紛争は生まれてくる。緒方さんの仕事はそこから先にある。原因となる武器を根絶することは、他の人の仕事なのだ。紛争地に赴くと考えることも多く、加害者に憎しみを抱いてしまうこともあるだろう。それを越えて双方に手を伸ばすことは難しい。自らの職責を認識し、ひたすらに援助していくしかないのだと感じた。(当然、紛争解決を求めていくことも必要ですけどね。)


もう一点。日本のマスメディアについての話。
緒方貞子:「日本では海外の事故や事件が報道される時に、日本人の被害者の数で扱いが大きく異なる。でも、死んでいる人の多さには変わりはない。日本の報道だけを見ていては世界のことは分からない。このような動きは危険だ。日本の経済基盤は完全にグローバル化している。これからどのように国際社会と関わっていくのかが課題である。」
村上龍:「レバノン侵攻当日のNHKのトップニュースが、梅雨が明けたという内容だった。これは考えなくてはいけないことで、視聴者の意識下にレバノンよりも梅雨が明けたという報道の方が大切だと認識させてしまうのではないか」


緒方貞子さんの一本芯の通ったような話だった。分かりやすく、色々と考える部分があった。
大多数の意見が正しいわけではない。また、何も考えずに何もしないことは、世の動きに同調することである。知らないということ、今の時代はそれだけで罪となりえるのかもしれない。


(注:発言の内容などは要約なので、一部違う部分があるかもしれません。)


9/13
誤解を与えかねなかったので、一部訂正しました。というか書き方が妙でした。謝。